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甘い毒と柑橘の温もり ※R-15
神童さんを追いかける形で渡米してから一ヶ月。アメリカでの生活にも少しは慣れてきて、新しいチームメイト達とも徐々に打ち解けてきた。 僕の移籍理由はチームメイト達にも知れ渡っているらしく、「Is he your boyfriend?」なんて冷やかされることもある。神童さんはそれを否定も肯定もせず、「彼は僕の大切なパートナーだよ」と、曖昧に返してごまかしていた。 僕はというと、神童さんのようにうまくかわせるほど器用ではなく、苦笑いを浮かべることしかできない。そんなときも神童さんが横から会話に割り込んでフォローしてくれるのが常だった。 「ほら、進くんが困っているだろう。あまりしつこいと午後のフリーバッティングで内角の低いところを執拗に攻めてしまいそうだ」 神童さんが遠回しに凄むと、チームメイト達は諦めて肩を竦めて去っていく。この辺の線引きがしっかりしているのは彼らのいいところではあった。 神童さんは、僕がどんなに踏み込もうとしても、いつも静かな笑みを湛えてかわしてしまう。その柔らかくも絶対的な壁の向こう側に、僕はまだ一度も触れたことがないような気
9月28日読了時間: 13分


改めてお付き合いをする神進
打算ありきで交際していた神進が「7」のエピローグのあと改めて交際をする話です。 「お話ししたいことがあるんです」と進くんに声をかけられ、今日は久しぶりに二人きりで外食をすることになった。 ――これはデートのお誘いかな。などと期待してしまうが、進くんの様子からしてそうそう浮かれていい状況でもないようだ。 最後に進くんとデートと呼べる行為をしたのは、オリックスがリーグ優勝を決めた試合の数日前だった。 それからの進くんはお兄さんとの対決のことで頭がいっぱいらしく、僕のほうから誘いをかけていい雰囲気ではなかったから、二人きりで会うのは本当に久しぶりだ。 ――ああしかし、これはいわゆる「別れ話」というやつかもしれない。 進くんが僕と親しくしていたのは、当人が言っていた通り兄との対決のためだ。それを終えたいま、僕と恋人ごっこをする必要はないのだろう。進くんの自室ではなく公共の場に誘われたのも、物理的な距離を取るための意図があるように思える。 進くんが純粋な好意から僕を慕っていたわけでないことは察していた。その上で彼に付き合っていたとはいえ、いざこ
3月8日読了時間: 6分


神進 ※R-15
こちらの神進 の続きっぽい話です。 いっそあなたが酷い人だったなら、こんな罪悪感を抱かずに済むのだろうとよく思う。 先ほどまでの行為の余韻に浸りながら、僕はまだほんのりと湿ったシーツを撫でた。 彼は優しいのだ。とても優しくて、そして残酷な人なのだ。 僕のことをつっぱねて、さっさとこの部屋から出ていけばいいものを、彼はいつだって僕のわがままを受け入れてくれる。 だから、今日も僕はこうして彼を招いて、どうしようもない虚しさを満たしていた。その代償として得たものがこんなに苦しいものだとは思わなかったけれど。 「どうして優しくしてくれるんですか……」 嗚咽交じりに吐き出された言葉はひどく情けなく聞こえた。 こんなことを口にしたところで相手を困らせるだけだとはわかっているのに、一度堰を切った涙は止まりそうにない。 神童さんは困ったように眉尻を下げ、苦笑しながら僕の頭をそっと撫でてくれた。 その掌は大きくて暖かくて、すごく安心できて――だからこそ僕はますます惨めな気持ちになってしまうのだ。 「君が大事だからだよ」 神童さんの穏やかな声色に
2月23日読了時間: 5分


神進 ※R-18
※ 神進ですが進が神童の乳首を舐めたりします 神童さん、と甘えた声で呼びながら身体を擦り寄せてくる進はとても愛らしい。それは決して恋人の欲目だけではなく、おおよそ他人が見てもそうなのだろうと神童は思う。 礼儀正しくて謙虚な進は後輩として可愛らしく、知的で冷静な面はバッテリーの相棒として頼もしい。甘え上手で家庭的な面は恋人として愛おしいし、そんな彼だったからこそ神童はその想いに応えたのだが―― 「あの……いいでしょうか……?」 ベッドに腰をかけた進が恥ずかしそうに神童の服の裾を掴む。このいじらしい仕種は進なりの「お誘い」の合図だった。 神童にとって誤算だったのは、進が思いのほか性欲旺盛だったことである。いや、性欲が強いのではなく愛されたいという欲求が強いのかもしれない。 神童は昨晩も進にせがまれて彼を抱いた。その前の晩もである。 先発投手だけあって体力には自信があるほうだし、セックスが嫌というわけでもない。それでも連日連夜はさすがに疲れるし、試合や練習に響かないかも心配だった。 「進くん、今日は……」 「ダメですか……?」...
2025年6月10日読了時間: 7分


神童さんに片想い中の進 ※R-18
ときおり、いや、それなりの頻度で、進は「こんなことは起こらないだろうか」と夢想することがある。 例えば、神童やチームメイト達を招いて手料理を振る舞った晩。ほかのチームメイト達は帰宅し、神童と二人きりでのんびりと晩酌をしているとき、ふいに会話が止まって神童と目が合う。 そこで訝しげに「神童さん?」と首を傾げると、神童が唐突に進の腕を掴んで引き寄せるのだ。進はそのまま神童の胸に抱かれてしまい、何が起こったのかわからず目をぱちくりとしばたたかせる。 まるで絶対に離したくない。そうとでもいうような強い力で抱擁され、進は嬉しい反面で緊張してしまい、ろくに声も出せなくなってしまう。 神童はそんな進の緊張が解れるまでずっと優しく背中を撫でていてくれる。そして進がようやく落ち着いた頃合いで、今度はゆっくりと顔が近付いてくるのだ。 進が「神童さ……」と言いかけるとその唇を唇で塞がれ、そのまま呼吸さえ奪うような激しいキスが始まる。舌を絡ませ、唾液を啜り、口腔内を犯し尽くすようなキスをしながら、やがて神童の手は器用に進のシャツのボタンを外していく。...
2025年5月31日読了時間: 4分
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