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秘め事 ※R-18
※パワアド設定ですが、キャラの性格や口調はパワプロ寄りです。 野宿にもずいぶん慣れてきたように思う。狩りをして肉を手に入れて、食べられる野草を選別して、夜は交代で火の番をする。王宮での生活とはまるきり異なるその営みも、兄と二人であれば苦にはならなかった。 そんな旅路を幾日も続けたある日の夜中、ススムはふと眠りから目が覚めた。薄目を開けると焚き火は既に小さくなっており、赤い残り火だけが夜の闇の中で揺らめいている。 「兄さん……?」 火の番をしているはずの兄の姿がないことに気づき、ススムはゆっくりと身を起こした。夜風が肌を撫で、湿った空気が肌を包み込む。 焚き火の明かりの届かない木々の合間から気配を感じ、薄闇の中で目を凝らすと人影が見えた。月明かりに照らされた長身の姿は、まごうことなく兄のものだ。 隠れるようにして何をしているのか――そう疑問に感じたのちに、思い浮かんだのは「用を足しているのかもしれない」という可能性だった。そうなのであれば、声はかけないほうがいいだろう。 そう思ったススムが再び瞼を閉じようとした時、遠くに見える兄の姿が微
6月1日読了時間: 6分


ススムくん危機一髪 ※R-18
パワアド設定です。タイトルはコミカルですが内容は痛めのモンスター姦です。アルラウネによる触手姦とゴブリンによる輪姦が含まれます。また、性描写として以下の内容を含みます。 ・汚喘ぎ(ひぎぃ系) ・陰部の拡張および出血 ・卵の産み付け→体内で孵化 ・尿道攻めに伴う失禁 ・NTRっぽい雰囲気 ・腹パンからの逆噴射 英雄の塔――数多の冒険者たちが自らの腕を試すために挑み、あるいは競い合う、冒険者の登竜門とも呼べるダンジョンである。 アカツキ帝国の皇子であるススムまた、兄のマモルと共に研鑽を積むためにこの塔に挑んでいた。だが、激しい戦闘のさなかにマモルとはぐれてしまったのである。 ススムの役割は僧侶として兄のマモルを援護すること。ススム自身にモンスターを討伐する力はなく、単独での行動はより危険を伴う。 もし今モンスターと遭遇してしまったら――ススムはそんな不安を抱えながらマモルと合流すべく塔の中を進んでいた。 「困ったな。せめて他の冒険者と合流できればいいんだけど……ん?」 薄暗い石畳の通路が続く中、ススムは何かの気配を察して足を止め
4月19日読了時間: 24分


改めてお付き合いをする神進
打算ありきで交際していた神進が「7」のエピローグのあと改めて交際をする話です。 「お話ししたいことがあるんです」と進くんに声をかけられ、今日は久しぶりに二人きりで外食をすることになった。 ――これはデートのお誘いかな。などと期待してしまうが、進くんの様子からしてそうそう浮かれていい状況でもないようだ。 最後に進くんとデートと呼べる行為をしたのは、オリックスがリーグ優勝を決めた試合の数日前だった。 それからの進くんはお兄さんとの対決のことで頭がいっぱいらしく、僕のほうから誘いをかけていい雰囲気ではなかったから、二人きりで会うのは本当に久しぶりだ。 ――ああしかし、これはいわゆる「別れ話」というやつかもしれない。 進くんが僕と親しくしていたのは、当人が言っていた通り兄との対決のためだ。それを終えたいま、僕と恋人ごっこをする必要はないのだろう。進くんの自室ではなく公共の場に誘われたのも、物理的な距離を取るための意図があるように思える。 進くんが純粋な好意から僕を慕っていたわけでないことは察していた。その上で彼に付き合っていたとはいえ、いざこ
3月8日読了時間: 6分


神進 ※R-15
こちらの神進 の続きっぽい話です。 いっそあなたが酷い人だったなら、こんな罪悪感を抱かずに済むのだろうとよく思う。 先ほどまでの行為の余韻に浸りながら、僕はまだほんのりと湿ったシーツを撫でた。 彼は優しいのだ。とても優しくて、そして残酷な人なのだ。 僕のことをつっぱねて、さっさとこの部屋から出ていけばいいものを、彼はいつだって僕のわがままを受け入れてくれる。 だから、今日も僕はこうして彼を招いて、どうしようもない虚しさを満たしていた。その代償として得たものがこんなに苦しいものだとは思わなかったけれど。 「どうして優しくしてくれるんですか……」 嗚咽交じりに吐き出された言葉はひどく情けなく聞こえた。 こんなことを口にしたところで相手を困らせるだけだとはわかっているのに、一度堰を切った涙は止まりそうにない。 神童さんは困ったように眉尻を下げ、苦笑しながら僕の頭をそっと撫でてくれた。 その掌は大きくて暖かくて、すごく安心できて――だからこそ僕はますます惨めな気持ちになってしまうのだ。 「君が大事だからだよ」 神童さんの穏やかな声色に
2月23日読了時間: 5分


守進 ※R-18
※『その手の温度さえ』の守が見た悪夢という設定です。夢オチですが強姦ものです。 「にい、さん……」 喉の奥から絞り出したような進の声が、僕の頭の芯を溶かしていく。 夢には見ている最中でも明らかに夢であることがわかるものと、そうでないものがあるわけだが、いま見ているこれは明らかに前者だった。 こんな――僕が進の手首を押さえつけて性器をねじ込んでいる光景なんて、現実であるわけがないのだから。 「にいさん、いたい、よ」 進はそう訴える。けれど、僕はその声を無視してさらに腰を進めた。 「あ、あ、あっ」 進が切れ切れの声をあげる。その声には苦痛の色しかない。 それでも僕は自分の欲望を進の中に埋めていく。 これは夢だから、僕の思うとおりになるはずだから。進は僕に何をされても受け入れるはずなんだ。 「兄さん……」 「進……っ」 僕は進の細い腰を抱き寄せて自分の腰を押し付けた。ぐちゅ、と湿った音がして、進の体が痙攣する。 「あ、あ……っ!」 僕のものを根元まで咥え込んだそこはきつく締まって、僕を拒んでいるようだった。 進は苦悶の表情を浮かべて
2月8日読了時間: 7分


その手の温度さえ③【完】
その日は久しぶりに進の夢を見た。 夢の中でいつもそうしていたように、進の体を抱き寄せようと腕を伸ばす。しかし、その指先は虚空を切るばかりで進の姿を掴むことはできなかった。 目の前で進の姿が徐々に薄くなっていくのを見ながら僕は必死に呼びかけたが、進の唇が僕の名を呼ぶことはなく、儚く微笑んだまま僕の元から離れていった。 「進……」 目を醒ますと冷たい汗で全身が濡れていた。 荒い呼吸を繰り返しながら上半身を起こす。心臓が早鐘のように鳴っていて、耳鳴りが酷かった。額に滲んだ脂汗が頬を伝って流れ落ちる。 視線を向けると、ベッドの上に置いてあるデジタル時計が午前三時を示していた。 もう一度眠る気には到底なれず、ベッドを抜け出した僕は選手寮の一角にある自販機コーナーへと向かう。 自動販売機のボタンを押すとガコンと音を立てて缶ジュースが落ちてくる。それを拾い上げてベンチに腰掛けたあと、プルタブを開けて一口含んだ。 「進……」 無意識のうちに唇から言葉が零れる。 進のためならどんなことだってできると思っていた。進のためなら例え自分を犠牲にしても
2月7日読了時間: 23分


その手の温度さえ②
『オリックス 1位 猪狩進 捕手 あかつき大附属高校』 秋が過ぎ去って季節が冬を迎えようとしている頃、ドラフト会議の結果は発表された。 進は確かに逆指名をしていた――巨人ではなくオリックスを。 『猪狩進は兄の所属する巨人への入団を希望するだろう』 それは僕だけでなく多くの野球関係者の予想だった。読売ジャイアンツの猪狩兄弟――いずれは僕と進のバッテリーで巨人が日本シリーズを制覇するのだと、多くの人々がそう考えていたはずだ。 けれど、蓋を開けてみれば進はその予想を覆してオリックスを選んだのだった。 この結果に驚いたのは当然ながら僕だけでなく、世間ではオリックスが金銭で進からの逆指名を得たのではないかとの噂が囁かれた。 実際、逆指名という制度がそういった不正行為の温情となっていることは以前から指摘されていることだった。ドラフト外で選手と交渉し、どこの球団よりも金を払うからうちのチームを指名してくれと持ちかけるのである。僕自身もそのような交渉を持ちかけられたことはあった。 だが、進がそんな理由で入団先を決めるはずがない。ほかに何か理由がある
2025年12月14日読了時間: 30分


その手の温度さえ① ※R-18
※ 時代設定がパワプロ7当時のものとなっています。 ※ 主人公の名前は「小波」です。 ※ 守の一人称がセリフと地の文で異なっていたり、たまに「僕」と発言したりするのは仕様です。 ※雰囲気を出すために当時の選手の名前を登場させていますが、この作品はフィクションですので実在の団体・人物・事件とは一切関係ありません。 高校に上がってしばらくして、兄さんに恋人ができたという噂を耳にした。 それを聞いたとき、僕は胸が軋むような痛みを感じたのを覚えている。 この痛みはなんなのかと考えて、そのときの僕は『大好きな兄を取られてしまったようで寂しいのだろう』と自分を納得させた。 けれどそれよりも驚いたのは――兄さんのその恋がまったく長続きしなかったことだ。 兄さんは誤解されることも多いけれど真面目で誠実な人だ。相手を好きでないなら交際なんか始めるはずもないし、多少なりとも好意があるから了承したのだと思っていた。 だけど「なぜ」なんて不躾なことを聞くわけにもいかなくて、ずっとその疑問は僕の中に燻っていた。 「進、帰るぞ」 「はい」...
2025年11月2日読了時間: 16分


友進 ※R-15
※酔った勢いでいたしてしまった友進 携帯電話のアラーム音で目を覚ました友沢は、ほとんど無意識に枕元へと手を伸ばしたあとそれがいつもの位置にないことに気がついた。 どこに置いたのだったか。それを確認するために身を起こして周囲を見回したのちに、やっとここが自分の部屋ではないという事実に思い至った。 確か、昨晩は進のマンションに招かれて食事をしたのだ。そのあと、友沢が酒を飲める年齢になったから少しだけ飲んでみようという話になって、それから、それから――どうしたのだったか。 寝起きだから頭が働かないのだろう。そう考えつつベッドから出ようとしたとき、友沢は自分が衣服を身にまとっていないことに気がついて瞠目した。 自分の家であれば下着だけの姿で寝てしまうこともしばしばあるが、他人の家でそんな格好になったことはさすがにない。全裸なんてなおのことだ。 戸惑いつつ視線を動かすと、すぐ隣に寝息を立てている進の姿があった。 「っ……!?」 友沢は驚きのあまり声が出そうになったのを堪える。 進も友沢と同じように衣服を着ていなかった。しかも二人でひとつのベ
2025年9月15日読了時間: 7分


友進 ※R-18
※前に書いた友進の続きっぽいやつ(手淫のみ) 「進さん、好きです……大好きです」 「うん……僕も、友沢が好きだよ……」 進さんは俺の首に手を回して抱きつき、そう囁いてから恥ずかしそうにはにかんだ。その表情があまりにも可愛くて、俺は思わず進さんを押し倒すようにしてベッドへと横たわらせる。 「すみません、乱暴でしたか?」 性急すぎたかと思い、一度進さんから身体を離して様子をうかがう。 小柄な進さんと接していると、自分の身体の大きさをまざまざと感じさせられる。進さんの手を握れば小さく、腰を抱けばとても細くて――逆に言えば、俺のそれは進さんからすれば大きいということだ。 それが他者に与える威圧感であるとか、そこから出る力が他者に与える痛みであるとか……それらは自分が思っている以上に相手の負担になっているのかもしれない。 「ううん。いいよ、このままで」 俺の心配をよそに進さんは小さく笑って俺の背に手を回してくる。それに応じるように進さんの肩に顔を埋め、細い腰にそろそろと両腕を回した。 「……その……本当にいいんですか……?」 「うん」 俺の問い
2025年8月26日読了時間: 6分


守進 ※R-18
弟の甘ったるい声を耳元で聴きながら、守はゆっくりと抽送を繰り返す。そのたびに結合部からはローションと体液が溢れて混ざり合い、ぐちゅりと卑猥な音を立てて鼓膜を揺さぶった。 進の中は蕩けそうなほどに温かく、ねっとりと絡みつくような襞が守自身をきつく締めつけてくる。まるで守を離さないと言うような、あるいは形を覚え込もうとしているかのような―― そう思うと背筋がぞくりと震えるほどに興奮する自分がいることに気が付き、守はそれをごまかすようにして自身の熱を何度も弟の奥へと突き入れた。 「にいさん、あっ……ぁんっ……んんっ」 進は腰をくねらせ、守の動きに合わせて鼻にかかった声を上げる。 日に焼けた進の肌はじっとりと汗ばみ、長い髪が額や首筋に貼りついていた。上気した肌と潤んだ瞳はひどく扇情的で、まだ少年らしさを残す普段の進との落差に守はごくりと喉を鳴らす。 「進……愛してるよ」 「にいさん……っ」 守が耳元で囁いて耳朶を食むと、進はびくりと身体を震わせた。 首筋や鎖骨にも口づけを落とし、薄く隆起した胸元を掌で撫でさする。まだろくに触れてもいない膨らみ
2025年8月26日読了時間: 5分


砂糖と蜂蜜めしあがれ ※R-18
心地よいまどろみから目が覚めた進は、目の前にある兄の顔に驚いて声を上げそうになった。よく瓜二つの容貌をしているとは評されるものの、こうして兄のおそろしく整った顔立ちを間近で見ると、本当にそうなのだろうかと懐疑的になってしまう。 (兄さんと……したんだった) 昨夜のことを思い出した進は気恥ずかしさに頬を染める。 仲のよすぎる兄弟。それが進と守の兄弟仲に対する世間の評価だった。それは間違った認識ではなく、昨晩も守は進の住むマンションを訪れ、一緒に食事をし、風呂に入り、宿泊していった。 守は進を溺愛している。それは傍目にもわかるほどで、過干渉と言っても過言ではなかった。進はそんな兄を煩わしく思うこともあったが、自分を可愛がってくれることが嬉しいという気持ちも確かだった。 昨晩、進は守と初めて肉体的な関係を結んだ。 もちろんその行為の意味するところもわかっていたし、戸惑いもあったが、抑えられなかったのだ。 守は進の全身を優しく愛撫し、キスの雨を降らせ、その体を貫いた。痛みはあったが、それ以上に守に愛されているという事実が進は嬉しかった。...
2025年8月23日読了時間: 8分


おうちデートをする友進
最後の一欠片となった白米を口に運び、「ごちそうさまでした」と告げて箸を置く。 ふと視線を感じて顔を上げると、向かいの席に座っていた進さんがニコニコと微笑んでいた。少食の進さんは俺より先に食事を終えており、食後のお茶を口に運びながら俺が食べ終えるのを待っていたらしい。 「友沢はいつも美味しそうに食べてくれるね。見ていて気持ちがいいな」 「進さんの手料理は本当に美味しいですから。……あ、俺も手伝いますよ」 席を立って食器を片付け始めた進さんと一緒に、食器を流し台に運んで後片付けをする。こうしているとまるで同棲しているような気分になり、自然と目元が和らぐのを感じた。 進さんが一人暮らしをしているマンションにお邪魔して、進さんの手料理をたらふく食べさせてもらって――それだけでも身に余る幸福ではあるのだが、ここまでくるとそれ以上も期待してしまう。 時計を確認すると自分が思っていた以上に時間が過ぎていて、そろそろ移動を始めなければ終電に間に合わなくなる頃合いだった。 名残惜しくて進さんの顔を見ると、進さんは俺を見上げてきょとりと瞬きをする。それから
2025年8月13日読了時間: 7分


お兄ちゃんは許しません!
文化祭を翌月に控えたある日の晩、守は進の部屋を訪れた。進が購入していた雑誌に興味を引かれる記事が載っていたため、一晩だけ貸してもらおうと考えたのだ。 「進、まだ起きてるか? 前に言っていた雑誌を借りたいんだが……」 「あっ、待ってください! いま動けなくて……部屋に入っていいので勝手に持っていってくれませんか?」 ドアをノックしながら訊ねると、室内から進の焦った声が聞こえてくる。おそらくはゲームをしていて手が離せないなどの理由だろうと考えた守は、特に疑問に思うこともなくドアを開けた。 「入るぞ、進……って、なっ……!?」 だが、守の目に入ってきたのは想定外の光景だった。進は見慣れた部屋着ではなく、薄緑色のメイド服――もとい、ウェイトレスの服を着ていたのだ。 膨らんだ袖は男性ならではの肩幅の広さをうまくごまかし、長めのスカートにも球児の逞しい太腿を隠すための配慮がなされている。捕手らしく下半身の筋肉が発達している進はそのぶん腰が細く見えるため、スカートの膨らみによる視覚的な効果も相俟ってキュッと引き締まったウエストを形成していた。 「なんて恰
2025年6月22日読了時間: 4分


神進 ※R-18
※ 神進ですが進が神童の乳首を舐めたりします 神童さん、と甘えた声で呼びながら身体を擦り寄せてくる進はとても愛らしい。それは決して恋人の欲目だけではなく、おおよそ他人が見てもそうなのだろうと神童は思う。 礼儀正しくて謙虚な進は後輩として可愛らしく、知的で冷静な面はバッテリーの相棒として頼もしい。甘え上手で家庭的な面は恋人として愛おしいし、そんな彼だったからこそ神童はその想いに応えたのだが―― 「あの……いいでしょうか……?」 ベッドに腰をかけた進が恥ずかしそうに神童の服の裾を掴む。このいじらしい仕種は進なりの「お誘い」の合図だった。 神童にとって誤算だったのは、進が思いのほか性欲旺盛だったことである。いや、性欲が強いのではなく愛されたいという欲求が強いのかもしれない。 神童は昨晩も進にせがまれて彼を抱いた。その前の晩もである。 先発投手だけあって体力には自信があるほうだし、セックスが嫌というわけでもない。それでも連日連夜はさすがに疲れるし、試合や練習に響かないかも心配だった。 「進くん、今日は……」 「ダメですか……?」...
2025年6月10日読了時間: 7分


鳥籠(モブ進 ※R-18)
※ 交通事故の一件から進が徐々に壊れていく話(ポケ設定かつ救いがない&兄弟仲が良好ではないです) 思い返せば、兄さんのせいで損をしてきたことはこれまでも多かったように思う。 兄さんが天才なのは兄さんのせいではないけれど、だからと言ってあえて敵を作るような言動を繰り返す必要はないはずだ。それで困るのが兄さんではなく僕であることを、兄さんはきっといまでも知らないままなのだろう。 だから僕はずっと敵を作らないように「いい子」に徹していたのに――そんな僕の後ろ向きな努力も知らずに、兄さんは今日も「キミじゃボクの相手にならないことがわからないのか?」「ボクくらいのレベルになると僻むやつがいるから困る」となどと言ってチームメイトたちを煽っている。 僕はいつも通り、そんな兄さんの後ろで「兄さんがすみません」と頭を下げ続けていた。 以前こんなことがあった。 その日、下校しようとしていた僕は野球部の上級生たちに呼び止められて、腕を掴まれて旧校舎に連れていかれたんだ。その上級生たちは兄さんが煽っていた相手だった。嫌な予感はしたけれど怖くて断れなくて、人気
2025年6月1日読了時間: 27分


神童さんに片想い中の進 ※R-18
ときおり、いや、それなりの頻度で、進は「こんなことは起こらないだろうか」と夢想することがある。 例えば、神童やチームメイト達を招いて手料理を振る舞った晩。ほかのチームメイト達は帰宅し、神童と二人きりでのんびりと晩酌をしているとき、ふいに会話が止まって神童と目が合う。 そこで訝しげに「神童さん?」と首を傾げると、神童が唐突に進の腕を掴んで引き寄せるのだ。進はそのまま神童の胸に抱かれてしまい、何が起こったのかわからず目をぱちくりとしばたたかせる。 まるで絶対に離したくない。そうとでもいうような強い力で抱擁され、進は嬉しい反面で緊張してしまい、ろくに声も出せなくなってしまう。 神童はそんな進の緊張が解れるまでずっと優しく背中を撫でていてくれる。そして進がようやく落ち着いた頃合いで、今度はゆっくりと顔が近付いてくるのだ。 進が「神童さ……」と言いかけるとその唇を唇で塞がれ、そのまま呼吸さえ奪うような激しいキスが始まる。舌を絡ませ、唾液を啜り、口腔内を犯し尽くすようなキスをしながら、やがて神童の手は器用に進のシャツのボタンを外していく。...
2025年5月31日読了時間: 4分


守進
※ パワプロ10で確かこういうイベントがあったなあというネタ 自宅の玄関から去ってゆく父親の背中と、たまたま自宅に招いていた小波が帰るのを見送ったあと、ようやく緊張の糸が解けた進はそっと胸を撫で下ろした。 父親が血相を変えて玄関の前に立っているのを見たときは、てっきり守との関係がばれたのかと思った。それくらいしか父親があれほどまでに激怒する理由が思い浮かばなかったのだ。 覚悟を決める暇もなくドアを開けるしかなかった進だが、話を聞いてみればなんてことはない。父親はただ勘違いをしていただけだった。 いわく、守が進の自宅に入る姿を目撃した父親はここを『守の彼女が住んでいる家』であると思い込んだらしい(この家に引越しをする際に父親にもその旨は伝えておいたはずなのだが) そして、その家に小波までが出入りしているのを目撃して「守の彼女が二股をかけており、しかもその相手は守のチームメイトの小波である」と判断したようなのだ。 その結果、先ほど父親が凄まじい剣幕で進の自宅に突撃してきたというのが事の顛末である。 「……ということがあったんです」 進は
2025年5月31日読了時間: 3分


友進
進さんと交際を始めて数ヶ月――そろそろ一歩進んでもいいのではとは思うのだが、誰かと交際をすること自体が初めてなのもあってなかなかその話を切り出せないでいた。 独身寮や俺の家でそんなことはできないし、ホテルを利用して万が一マスコミに嗅ぎつけられたらと考えると、進さんが一人暮らしをしているマンションが誘う場所としては適切だろう。 しかし、進さんの気持ちはどうなのだろうか。 俺とそういうことをしたいと、進さんは思っているのだろうか? 俺が進さんを想って自分を慰める日があるように、進さんも俺を想って自分を慰めることがあるのだろうか。 「友沢? どうしたの、ぼーっとして」 そんなことを考えながら歩いていると、隣にいた進さんが俺の顔を訝しげに見上げてきた。 進さんは俺よりいくらか背が低いため、横に並ぶと自然と上目遣いで見つめられる。普段からいつもそうなのに、そんな何気ない仕種が可愛らしくてついドキリとしてしまった。 「あっ、いえ……すみません。少し考えごとをしていました」 「大丈夫? 疲れてるのかな?」 俺の返答に進さんは小さく笑い、そっと俺の頬
2025年5月28日読了時間: 4分


友→進
中学にあがりたての頃、たまたま遠征に来ていたあかつき大附属高校の生徒と公園で野球の練習をしたことがあった。一人で素振りをしていたときに「いいフォームだね」と声をかけられ、そのまましばらく練習に付き合ってもらったのだ。 やはり高校生の野球は中学生とはレベルが違う。ほんの数十分の練習でそれをまざまざと感じさせられたのを覚えている。しかも、相手は甲子園の常連であるあかつき大附属高校の野球部なのだから、筋がいいのは当たり前だった。 俺が投手であることを話すと、その高校生――猪狩進と名乗っていた――は、自分は捕手だから投球練習に付き合うと提案してくれた。 ミットを構える進さんに向かって、俺は遠慮なく全力でボールを投げ込んだ。投球を受けたミットの音が俺の耳に鋭く響き、それは胸のすくような快音だった。 肩が暖まってきた俺は変化球も交えた投球練習を始めた。進さんは俺の投げる球を面白いようにキャッチしてくれる。俺は生意気にも進さんがどこまでならキャッチしてくれるのか試したくなって、自分のできる範囲の際どい投球を繰り返した。 もっとこの人に教わりたい、この
2025年5月26日読了時間: 5分
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