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守進 ※女体化R-18

7月26日
読了時間: 20分

 パワアド設定&後天的女体化ネタです。




 入学して一年が経ち、アカデミーでの生活にも慣れてきた頃、ススムの身にとある災難が降りかかった。いや、むしろ僥倖だったのかもしれないが――いずれにせよ、珍事と言って差し支えない出来事には間違いなかった。

「ねえねえススムくん! ボク新しい魔法の研究をしてるんだけど、よかったら実際に受けてみて助言をくれないかな? いろんな人の意見を聞きたいんだ」

 一学年上の生徒であるアオイに声をかけられ、ススムは手にしていた書籍から視線を上げる。

 皇子でもあり後輩でもあるススムにこうして気さくに頼ってくれるアオイは、ススムにとって接しやすい相手の一人だった。

 そんなアオイの頼みなのだ、断る理由もないだろう。もちろん、アオイであれば他人を危険な魔法の実験台になどしないだろうという信頼関係があるからこそだが。

「はい。いいですよ、アオイさん。僕もアオイさんの魔法に興味があります。もちろん魔法の種類にもよりますが……」

「そう来なくっちゃ!」

 ススムの快諾にアオイは満面の笑みを浮かべた。

「それで、どんな魔法なんですか?」

「性別を転換する魔法なんだ。まだ実験段階だけど、上手く行けば何かに役立ちそうじゃない?」

「性転換ですか……それはまた難しい魔法ですね。人間の体を作り変えるとなると、かなりの危険を伴うように思えますが」

 ススムは書物を脇に置きながら尋ねた。

「うん、だから誰にでも頼めるものじゃないんだ。ススムくんは魔法への耐性が高いから大丈夫だと思うんだけど……。あっ、もちろん永久的な効果じゃないよ。せいぜい半日程度。前にミズキにも手伝ってもらったんだけど、まだ男の人には試してないんだ」

 彼女の瞳には純粋な好奇心と自信が溢れている。ススムは少し躊躇したが、魔法に対する興味も多分に感じていた。

「わかりました。ご協力します」

「やった! 助かるよ!」

 アオイは嬉しそうに杖を手に取った。

「じゃあ行くよ! せーの!」

 アオイの詠唱と共に魔法陣が現れ、淡い光がススムの周囲を取り巻く。最初こそススムは何も感じなかったが、徐々に体の奥底から奇妙な感覚が湧き上がってきた。

「うっ……」

 全身が熱くなり、自分の骨格が溶けていくような不快な感覚に襲われる。まるで皮膚の下で何かが蠢いているようだった。足元から這い上がる疼きが腰へ、そして胸へと広がっていく。

「す、すみません……これ、本当に大丈夫なんですか?」

 視界が霞む中、ススムは必死で声を絞り出す。その声はすでに普段より高く響いていた。

「安心して、すぐに収まるはず……!」

 アオイの声が遠ざかるように聞こえる。

 数秒間の混乱の後、体の中を駆け巡っていた痛みが急速に引いていった。

 ススムは恐る恐る目を開ける。霞んでいた視界が晴れたとき、目に入った光景に思わず何度か瞬きをした。

「あ……」

 視線が低くなっている。手を見ると明らかに細く小さくなっており、服は肩からずれ落ちそうになっていた。慌てて袖を引っ張り上げようとすると、胸元に思いがけない柔らかさを感じる。

「これは……」

 鏡など持ち合わせていないススムだが、自身の身に何が起きたのかは明白だった。

「成功したみたいだね! ほら、見てごらん」

 アオイが興奮した様子で近づいてくる。あらかじめ用意していたのだろう、制服の裾から小さな鏡を取り出してススムの前に差し出した。

 ススムはおそるおそる鏡に映った自身を見る。

 丸みを帯びた輪郭、長くなった睫毛。喉仏の膨らみはなくなり、細い首がシャツから覗いている。制服はまったくサイズが合っていなかった。ズボンは腰にひっかからず、上着は大きく肩が出てしまっている。

 全体的に華奢になった容姿は確かに女性のそれで、鏡に映っている人物が自分ではないように思えた。

「すごい……」

 呆然とするススムにアオイは興奮気味に続ける。

「ねえねえ、何か違和感はある? 体調はどう?」

「体調は特に……ただ……」

 ススムは自分の胸に触れようとして途中で手を止めた。今はこれが自分の体とはいえ、異様に恥ずかしい。だが、同時にこれは貴重な体験だと冷静に分析している自分もいる。

「ススム!」

 突然背後から声がかかり振り返ると、マモルが驚いた表情で立っていた。おそらく通りすがりに遭遇したのだろう。

「あ……兄さん……」

 振り返ったススムを見てマモルの顔が複雑に歪む。

「お前……ススムなのか?」

「はい。えっと、これは魔法の実験で……」

 経緯を説明しようとした途端、教室の入口から数人の女子生徒が歓声を上げながら集まってきた。

「わぁ! かわいい! さすがは先輩の魔法ですね!」

「本当にススムくん?」

 ミズキが興味深そうにススムに近付き、続けてマリセアが戸惑いながらもススムを覗き込む。女子たちの興奮した視線に晒され、ススムは無意識に身を縮こませた。

「皆さん落ち着いて……これはただの実験ですから」

 ススムが宥めても女子たちはますます盛り上がるばかりだった。ふわりと揺れる茶髪、可愛らしい顔立ち、丸みを帯びた体に注目が集まっているのがわかる。

「ねえススムくん、もう少し笑ってみて」

「制服のサイズが合わないんじゃない? 私の貸してあげるよ!」

「あ、あの……」

 嬉々とした様子の女子たちにススムは戸惑うばかりだった。

 そんなやりとりを遮るように、マモルが一歩前に出る。

「そこまでにしたまえ。ススムが困惑してるだろう」

 制止の声に女子たちはマモルとススムを交互に見た。

「えー。だってこんなに可愛いのに」

 ミズキが残念そうに口を尖らせる。

「ススム。お前はアカツキ帝国の第二皇子なんだぞ。ボクの身に何かあれば皇位を継ぐ身……軽い気持ちで危険な実験に付き合っていい立場ではないはずだ」

 マモルの真面目な顔つきに周りの空気が変わる。ミズキとマリセアは顔を見合わせ、アオイは申し訳なさそうに口を開いた。

「ごめんねマモルくん。ボクがススムくんに頼んだんだ」

「それはわかっている。だが承諾したのはススムの意思だ。……ススム、とりあえず男子寮に戻ろう。こんな格好でうろつくわけにもいかない」

「はい」

 マモルに促されてススムは小さく頷いた。いつもの制服がいまの体には明らかに合っていない。胸の膨らみが制服の下で窮屈に押し潰され、ズボンはずり落ちそうになっている。

「効果は数時間で切れるはずだよ。ミズキのときは十二時間くらいだったかな」

「十二時間か……いまからだと明日の朝方ということになるな」

 マモルは懐から取り出した懐中時計を確認する。短針は午後の五時を指していた。つまり最短でも明日の朝まではこの姿で過ごすことになる。

「わかった。ではボクはこれで失礼するよ。皆も他言無用で頼む」

 「え~」というミズキの声が聞こえたが、マモルは気にせずススムの腕を掴んだ。

「行こう」

 マモルに手を引かれてススムも廊下に出る。

 歩き始めてすぐにススムは体の違和感に気づいた。足音が違う。靴の中で足が浮いているようで不安定だった。そして何より、マモルの顔が普段にも増して高い位置にあった。

「……兄さん、痛いです」

 ススムは小さく抗議する。マモルの握力がいつも以上に強く感じるのだ。

「ああ、すまない」

 マモルは力を緩めたが、依然として強く握り続けていた。どうやら無意識に力が入ってしまっているらしい。

「ねえ兄さん」

「なんだ?」

「怒ってますか?」

 マモルは一瞬足を止め、ススムを見た。

「怒ってはいない。心配しているだけだ。もし何かあったらどうするつもりだったんだ」

「すみません。でも、アオイさんが危険性の高い魔法を他人に使うとは思えないので……」

「……ボクだってアオイを信用していないわけじゃない。だが、どんな優れた術者であってもミスをすることはあるからな」

 俯くススムの姿にマモルは少しばかり語気を和らげる。

「次からは気をつけろ。お前の命はお前ひとりのものじゃないんだぞ」

「はい。気をつけます」

 二人は並んで歩く。窓から射し込む夕暮れの光が長い影を作る。その影さえもいつもと長さが違っていた。

 男子寮の扉を開けると中は静かだった。多くの生徒はまだアカデミーにいるのだろう。

 マモルは迷わず自分とススムの部屋へ向かい、室内に入るなりドアを閉めて鍵をかけた。薄暗い室内に夕陽が斜めに差し込み、微細な埃が宙を舞っている。

「ススム。お前はどう思う?」

 振り返ったマモルがススムに問いかけた。

「え?」

「この状況についてだ」

「……正直、混乱しています。でも、とても興味深いです。どのような経緯でこの魔法を生み出したのか、この体がどこまで女性と同じになっているのか……研究の一環として興味があります」

「そうか」

 マモルは短く応えて手を伸ばした。親指の腹でススムの頬に触れ、そのままゆっくりとなぞる。普段より丸みを帯びた顔の輪郭を確かめるような手つきだった。

「痛いところはないか? 体に異常は?」

「大丈夫です。変化の最中は苦痛がありましたが今はもう何も」

「そうか」

 同じ返答を繰り返しながらも、マモルの指は離れようとしない。額から鼻筋、唇へと移動していく温もりがくすぐったくてススムは目を細めた。

「兄さんはどう思いますか?」

「何がだ?」

「僕の今の姿についてです」

 マモルの動きが一瞬止まった。しかしそのまま再開し耳朶を撫で始める。

「美しいと思う」

 即答だった。迷いのない言葉にススムのほうが動揺してしまう。

「ボクの知る限り完璧に近い女性だ。肌は滑らかで艶があり、輪郭も整っている」

「それは……言い過ぎではないでしょうか」

 照れ隠しに言いかけるススムの唇をマモルが指で塞ぐ。

「これはただの客観的事実だ。それに……」

 マモルは一段と低い声で続けた。

「お前の魂が変わらない以上、男女どちらであっても美しさの本質は変わらない」

 予想外の情熱的な告白にススムは息を呑む。

 マモルはススムに顔を寄せ、吐息がかかりそうな距離で囁いた。

「だが、この姿のお前を他の男が見るかもしれないというのは我慢ならない。だから明日の朝までは部屋の中にいろ」

 マモルの唇がススムのそれに重なり、唇を割って舌が入り込む。湿った感触とともに深く侵入してきた舌が口腔内を探るように動き始め、ススムも自然とそれに応えた。

 うっすらと目を開けるとマモルの長い睫毛が視界に入る。

 ススムはマモルの整った顔を間近に見るのが好きだった。マモルの優美で端正な顔立ちは、ススムにとってどんな女性よりも魅力的に映ったのだ。

 ふいにマモルの目が開いて視線がかち合った。

 至近距離で見つめ合って、互いの瞳の中に相手の姿を映す。ゆっくりと唇を離してまた重ね合わせると、柔らかな感触が伝わって甘い吐息が漏れた。

「ん……兄さん、くすぐったいです」

「ふふ、そうか?」

 守は楽しげに微笑みながら、今度はススムの首筋や鎖骨に唇を寄せ始める。ススムはくすぐったさに身を捩らせながらも、自らも遠慮がちに守の髪に触れた。

 兄弟のじゃれあいが恋人同士の睦言へと変わっていく過程は、彼らにとってはあまりにも自然な流れだった。いつの間にか二人の身体はぴったりと重なり合い、互いの熱を共有し合っていた。

「あっ……」

 マモルの手がススムの腰に回って細くなった体を引き寄せる。そのままもう片手が制服越しに胸に触れた瞬間、反射的に漏れた声は自分ではないような高さだった。

 制服のボタンをひとつずつ外されていき、柔らかな膨らみが露わになる。突然開放された両胸にひんやりとした空気が触れ、ススムはふるりと身を震わせた。

「綺麗だ」

 ため息混じりの賞賛と共に、頂きが色付く乳暈へと唇が落ちていく。尖った先端を舌で押し潰されたり、吸い上げられたりするたびに甘い痺れが背筋を走った。

「ひゃ……」

 堪えきれず漏れた喘ぎ声はまるで少女そのものだった。

 兄の手によって与えられる未知の快楽に翻弄される一方で、理性は警鐘を鳴らしている。これは本来の自分ではない――しかし、身体は素直すぎるほどに反応していた。

「嫌なら言ってくれ」

 問いかけの後にベッドへと横たえられ、ズボンと下着を脱がされる。

 露わになった秘裂からは既に愛液が糸を引いていた。それが何を意味するか理解できないほど初心ではなく、ススムはかあっと頬を赤らめる。

「いえ……」

 短く返事をしながら両腕を伸ばして抱きつく。自分から求めるススムにマモルは驚いたようだったが、次の瞬間には強い力で抱き締め返してくれた。

「あっ……んぅ……っ」

 マモルの指が秘所の表面を撫でるように往復し始める。未開拓の領域への進入を促すように蜜が溢れ、ぬちゅぬちゅと淫靡な水音を立てた。

「熱いな」

 マモルも興奮を抑えきれないのか呼吸が荒くなっている。花弁を綻ばせるようにマモルの指が襞を分け入り、浅瀬を掻き回す度にススムの口から甘い声が零れ落ちた。

「ひぁ……っ!」

 マモルの指先が肉芽を摘んだ瞬間、ススムの体が弓なりにしなり、甲高い嬌声が室内に響いた。花芯は既に勃起しており、包皮から飛び出した部分に触れられただけで全身に電流が流れるような衝撃が走る。

「ここか?」

「あっあっあっ……まって……にいさ……んあぁっ!」

 マモルは繰り返し刺激を与え始めた。

 指の腹で円を描くように撫でられたかと思えば爪で弾かれ、時には二本の指で挟み込まれ上下に扱かれる。男性器への刺激とは異なる快感に溺れそうで怖くなり、ススムは縋るようにマモルの腕を握り締めた。

「怖いのか?」

「わからないです……っ」

「大丈夫だ。ボクがついている」

 優しく言い聞かせるような口調と共にマモルは額へ口付けを落とす。それだけで不安は少し薄れていき、代わりに込み上げてくる期待のようなものを自覚したススムはこくりと頷いた。

「んぅッ……はぁ……!」

 小刻みな振動を与えるように突起を擦られ、ススムの身体が何度も跳ね上がる。下腹部がきゅっと収縮するような感覚と共に愛液が分泌され、秘裂をしとどに濡らしていった。

「んんっ……!」

 マモルは愛液を指先に絡めて先端をススムの中に埋め込んだ。初めて味わう違和感にススムは低く呻く。

「痛いか?」

「痛くはないですけど……なんか変な感じ……が……あぁっ」

 狭い孔内で節くれだった指が暴れるたびに、鈍い圧迫感と痒みのようなものが入り混じる。

 しかし、同時に快楽を得ていることも事実だった。初めて受け入れる異物感に戸惑いつつも、内壁が収縮して悦んでいるのを感じる。それは肉体的な快感ではなく、マモルとこうしているという状態に対する興奮なのだろう。

「はぁ……すご……い……あつい……」

「具合はどうだ?」

「きもちいい……です」

「そうか」

 マモルは満足げに微笑みなが更に大胆に指を動かし始めた。既に濡れそぼっているそこは抵抗なく異物を呑み込んでいき、二本目の指もやすやすと受け入れてゆく。

 三本目に到達したところでマモルはいったん動作を中断し、花芯を親指で押し潰しながら抜き挿しを再開した。入口近くまで引き抜いて、また根元まで沈み込ませる。長くゆったりとした抽送は蕩けるような刺激をススムにもたらした。

「あっ! あぁ……んあぁぁ……っ」

 次第に加速していく抽送に合わせてススムの身体が小刻みに震える。熱を帯びた粘膜を擦られる感触は例えようもなく心地良く、意識が白く飛ぶ寸前まで追い込まれた。

「にいさん……っもう……っ」

 絶頂の兆しを感じ取り、ススムは弱々しく訴える。

 内部が激しく収縮して指を締め上げると、その反応を受け止めたマモルは内壁を押し込みながら花芯を強く摘んだ。

「ふあぁ……あっ……!」

 強烈な快感に襲われ視界が明滅する。脳天にまで突き抜ける鋭い波動と共に背筋が反り返り、秘処から透明な蜜が噴き出した。

 びくんっと大きく跳ね上がった肢体はやがて弛緩していき、余韻に浸る暇もなくマモルによってベッドに横たえられる。

「よく頑張ったな」

「はぁ……はぁ……」

 汗ばむ額に口づけられると安堵のため息が出た。生まれて初めて味わう女性の絶頂感に陶酔し、ただただ快楽の波に身を委ねることしかできない。

「ススム」

 低く掠れた声で名前を呼ばれ反射的に顔を上げると、マモルが自身の衣服に手をかけている姿が目に映った。逞しく鍛え上げられた裸身が露わになり、彫像のような兄の肉体を目にしたススムは息を呑む。

「待っていてくれ」

 マモルは優しく言い含めると、ベッドサイドにある木製の棚から何かを取り出す。その手の中には小さな薬瓶があった。

「それは……」

「避妊薬だ。当然必要な措置だろう?」

「え……?」

「女性化している以上は妊娠のリスクがゼロではないだろう? アオイの魔法は確かだ。仮初めとはいえ生殖機能を持つ体になっているかもしれない」

「それは……そうかもしれませんけど」

 これは魔法の効果で得た偽りの体だ。仮に妊娠したところで、数時間後には元の体に戻るのだから避妊の必要があるとも思えないが――

 だが、兄の誠実な態度がススムは嬉しかった。

 例え一時の幻影であろうと子を宿す可能性があるならば備える。結末が見えている虚構であったとしても、最大限の配慮をしてくれるマモルの優しさが愛おしかった。

「ありがとうございます。兄さん」

「礼を言われるようなことじゃない」

 マモルは小さな紙包みを開け、中の粉末を舌に乗せるとススムに覆いかぶさってきた。

 薬を溶かすために深く唇を合わせる。苦い味が広がったがそれ以上の幸福感に包まれていき、互いに求め合うように舌を絡め合った。

「痛いだろうが我慢してくれ」

「はい……」

 マモルが秘裂に怒張の切っ先を当てる。亀頭の先端が押し当てられただけで、期待に満ちた肉襞が蠕動を始めて愛液を分泌するのを感じた。

「んうっ……!」

 ぬぷりという水音と共に陰茎が侵入してくる。その質量は凄まじく、内臓を押し上げられるような圧迫感に襲われススムは眉根を寄せた。

「ふあ……あぁ……んぅ……はぁ……」

 結合部から破瓜の血が一筋流れ落ちていく。それでも痛みよりも充足感の方が勝っており、ススムは熱に浮かされた表情で兄を見つめた。

 マモルも辛そうに眉間に皺を寄せ、額に汗を滲ませながら少しずつ腰を進めていく。

 やがて全て収まったところで動きを止めると、お互いに深く息を吐き出した。隘路をみっちりと埋め尽くされる感覚は壮絶なもので、胎内でどくんどくんと脈打つマモルの存在感に目眩がする。

「大丈夫か?」

「はい……」

 マモルの手が汗で額に張り付いたススムの前髪を優しく掻き上げた。剣胼胝で覆われた硬い手が肌を掠め、その優しい触れ方にススムの体内がきゅうっと疼く。

「動くぞ」

「はぃ……んっ」

 合図とともにゆっくりと抽送が始まった。最初は馴染ませるように小刻みに揺すっていたマモルだが、次第に幅が大きくなっていく。

 前後に抜き差しされるたびに張り出した雁首が敏感な箇所を擦り上げ、抽送に合わせてススムの唇から甘ったるい吐息が零れた。 

「んうっ……んんっ!」

「はっ……くっ……」

 マモルの端正な顔立ちが快楽に歪む。

 その様子にススムはゾクリとした感覚を覚え、下半身に力が入り膣口が窄まった。それに呼応してマモルの怒張が跳ね上がり、先端が子宮口を叩いたことで新たな愉悦が爆ぜる。

「ここがいいのか?」

「や……あぁんっ……! そこばっかり突かないで……くださ……あああっ!」

 マモルは目敏くその反応を捉えると、重点的にそこばかり狙いはじめた。腰を回転させるようにして亀頭で子宮口を捏ね繰り回され、泡立った愛液がぐちゅぐちゅと音を立てる。

「にいさん……きもちいぃ……あぁ……っ」

「ああ、ボクもだ」

 マモルは律動を繰り返しながら汗ばむ肌に幾つもの跡を刻みつけていく。乳房や首筋などいたるところに赤い花が散らされ、所有印を刻まれる悦びにススムの腰が戦慄いた。

「ここも堪能しておかないとな」

「ひゃっ……!?」

 不意打ちのように乳首を抓まれた瞬間、ススムの視界に鋭い閃光が迸った。固くしこった頂を摘まみ上げられた拍子に下半身に力が入り、胎内の剛直を強く締めつけてしまう。

「くっ……そんなに締めるな」

 マモルは呻き声を上げながらススムの乳房を持ち上げるように揉みしだく。やわらかな双丘がマモルの掌の中で形を変え、桜色の先端が更に硬さを増していった。

「あっあっ……! きもちい……にいさん……好き……っ」

「ボクもだ。愛してる……っ」

 愛の言葉を囁かれると同時に最奥を穿たれ、灼熱の塊が子宮口を押し潰す。容赦なく打ち込まれる衝撃にススムの視界は真っ白になり、全身がビクビクと痙攣を始める。

「あぁ……っ! も……だめぇ……イク……イッちゃいます……!」

 限界を迎えた身体が跳ね上がりそうになったところでマモルに強く抱き竦められた。

 耳元で切羽詰まったような吐息を感じる。呼吸に合わせて零れる掠れた低音の声が脳髄へ響き渡り、その艶かしさにススムの理性は完全に吹き飛ばされた。

「出して下さい……っ、中にいっぱいください……っ」

 ススムはマモルの背中に腕を回して一心に抱き締め返す。それに反応するかのように体内の怒張がいっそう膨らむのを感じ、その愛おしさにススムの膣内がきゅんっと収縮した。

「ふっ……くっ、ススムっ……!」

「あぁ……っにいさ……んぁあっ!」

 マモルが歯を食い縛りながら一際強く奥を貫く。

 直後胎内で熱い奔流が解き放たれ、大量の精液が子宮を満たした。断続的に吐き出されるたびに身体が小刻みに震え、それにつれて膣内が不随意に収斂を繰り返す。

「くっ……」

「あ……はぁ……」

 マモルは最後の一滴まで出し尽くそうとするかのように腰を打ち付け続ける。

 子宮口にぴったりと押し当てられた鈴口から勢いよく精液が放出され、内壁に叩きつけられる感覚にススムは恍惚として目を細めた。

「んぅ……はぁ……」

 ようやく全てを注ぎ終えたのかマモルの動きが止まり、硬度を失った陰茎がずるりと引き抜かれていく。

 途端にススムの秘裂からこぽりと白濁が流れ落ちたが、それを拭う余裕もなく二人は荒い呼吸を繰り返していた。

「ススム……大丈夫か?」

「はい……」

 マモルの大きな手が汗に濡れたススムの頬を撫でる。その優しさが心地良くてススムは猫のように擦り寄った。

 火照った肌を包む暖かな温度に眠気を誘われ、次第に瞼が重くなっていく。 

「もしも……もしもの話ですよ。僕がこのまま男に戻らなかったらどうしますか?」

 まどろんでゆく意識の中でススムは問いかける。

 求めている答えがあったわけではない。ただ純粋な興味だった。もし自分が永遠に女性として生きなければいけないとしたら、マモルはどうするのか聞いてみたくなったのだ。

「……そうだな。そうなったらお前には男のふりをしていろと言うかもしれない。女性であったならそのうちどこかの王族か貴族の家に嫁がされるだろうからな」

 マモルは一瞬黙り込むと静かに答えた。

「お前はそのうちどこかの身分ある女性と婚姻するか、あるいはどこかの領主としてボクの補佐をすることになるのだろう。それは覚悟の上だが……お前が見知らぬ男に抱かれて子を成すかもしれないと思うと胸が苦しくなる」

 マモルはススムの髪に優しく指を通して梳いた。肉刺だらけの大きな手が慈しむように頭皮を撫でていく感覚にススムは目を細める。

「……そう思うと、お前が男なのはボクにとって幸いだったのかもしれないな。もしお前が女性だったなら、お前の夫となる男をどうしていたかわからない」

 本気とも冗談ともつかないマモルの口調にススムは少し驚いたが、すぐに可笑しさが込み上げてきて笑みを浮かべた。

「僕も……男として生まれてきてよかったと思います。おかげでこうして兄さんと一緒にいられるんですから」

 ススムはマモルの手に自分の手を重ねる。

 もし自分が女性であったなら、いまこうしてマモルとアカデミーには通っていなかったのかもしれない。母のように深窓の令嬢として育てられ、十代半ばにもなれば父の決めた相手のもとに嫁いでいたのかもしれない。

 皇子として、マモルの弟として共に過ごせるこの瞬間がどれほど尊いものであるか。それを改めて実感させられたような気がした。

「兄さん……ずっと、なんて無理ですけれど、いまだけでも傍にいてくださいね」

「ああ。もちろんだ」

 マモルは力強く頷きススムを抱き寄せる。

 胸板に顔を埋めると規則正しい鼓動が伝わってきて安心感を与えてくれた。甘えるように頬を寄せれば、触れ合う肌の温もりに胸が暖かくなってゆく。

 二人の体温が溶け合う心地良さに身を委ね、暫しの時を過ごすと疲れ切った身体が休息を求め始める。

 重たい睡魔に誘われて目蓋が落ちていく中、最後に目に映った兄の姿はとても穏やかで美しいものだった。


 翌朝ススムが目覚めたときには元通りの体に戻っていた。

 いつもと同じ肌触り、胸板の感触。夢のような一夜は過ぎ去り、あるべき姿に帰還したことに安堵の息をつく。

「元の姿に戻ったようだな」

 隣で横になっていたマモルが微かに笑う。ススムは小さく頷くとマモルの胸に顔を埋めた。

 この穏やかな時間が永遠に続くかどうかはわからない。政争や外交の力が二人の関係を引き裂くこともあるだろう。

 それでも、少なくとも今しばらくだけは兄弟であり恋人でもある特別な時間を噛み締めたかった。

「兄さん」

「なんだ?」

「ありがとうございます」

 理由のわからない感謝の言葉にマモルは不思議そうな顔をするが、それ以上は何も聞かずにススムを抱き寄せてくれた。

 こうやって他愛ないやりとりができる毎日にこそ価値があることを二人はよく知っている。ひと時の束の間の平穏であろうとも、その尊さを忘れずにいたかった。

「もう少し寝させてくれ」

 マモルの声音には珍しく甘えが籠っていた。

 ススムはマモルの望み通りにゆっくりと目を閉じる。

 瞼の裏に浮かんだ昨夜の記憶が甘美な夢となって二人を微睡みへと導いていく。それを感じながらススムもまた眠りに落ちていった。

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